恵比寿で出会った彼は、アプリ越しの運命だった──29歳広告女子の濡れる夜

  • 語り手(主人公)
     29歳の独身女性、東京在住。広告代理店勤務。仕事は忙しく、恋愛はご無沙汰気味。心の奥に「誰かに抱きしめてほしい」「性欲を満たしたい」という欲望がある。

  • 出会い系アプリ:ワクワクメール(女性目線でも比較的登録しやすく人気)

  • 出会った相手:35歳の公認会計士。誠実で知的な印象。最初は「食事だけの関係」だと思っていたが、次第に惹かれていく。

  • 出会いの場所:恵比寿の隠れ家的な和食店 → ホテルへ

  • プレイ内容:丁寧で濃密な前戯、中イキ中心のセックス。

    東京で暮らして10年になる。
    私は29歳。広告代理店で働く、ごく普通の独身女性だ。
    残業は多く、休日に出社することもあるけれど、好きな仕事に恵まれている自負はある。

    恋愛からは、しばらく遠ざかっていた。
    最後に誰かと身体を重ねたのは、たぶん9ヶ月前。彼とは自然に疎遠になった。
    仕事が忙しいことを言い訳にしていたけれど、心のどこかでは、誰かとまたつながりたいと思っていた。

    それは「恋愛」じゃなくてよかった。ただ、優しさと温もりに包まれたい。
    寂しさは身体の奥で眠っていた欲望を静かに目覚めさせる。
    そんなある夜、私はふとスマホを開き、「ワクワクメール」という出会い系アプリに登録してみた。

    最初は、興味本位だった。
    軽いメッセージがいくつも届いたけれど、どれも軽薄すぎてスルーした。
    けれど、その中に一通だけ、妙に目を引くメッセージがあった。


    「こんばんは。もしご迷惑でなければ、お酒でもご一緒できたらと思い、失礼します」


    端的で礼儀正しい文章。
    プロフィールを見ると、35歳の公認会計士。名前は「真田」さん。
    スーツ姿の写真は、どこか知的で穏やかな雰囲気を醸し出していた。

    チャットを始めると、彼の文章には丁寧さがあった。
    質問のテンポや、さりげない気遣いに、私は徐々に惹かれていった。

    「お会いしませんか?」
    そう彼から誘われたのは、やりとりを始めて5日後のことだった。


    金曜の夜、私たちは恵比寿の小さな和食店で待ち合わせた。
    暖簾をくぐると、木の香りとほんのり甘い出汁の匂いが鼻をくすぐる。

    真田さんは、写真よりも柔らかい印象だった。
    言葉を選ぶように話す癖と、時折見せる無防備な笑顔。
    それだけで、私は少しずつ心の鍵を緩めていった。

    「仕事、大変なんですね」
    「真田さんは、普段からこんなアプリ使うんですか?」

    そんな他愛もない会話の中、私は気づけばグラスを三杯空けていた。
    目が合うと、彼の視線が、ほんの少しだけ長く私に留まるのを感じた。
    まるで、何かを確かめるように。

    そして、食事のあと。
    恵比寿駅の近くで、彼がぽつりと言った。


    「このまま、少しだけ…一緒にいたいなと思って」


    私は、驚くほど自然に頷いていた。
    酔っていたのは、お酒のせいだけじゃない。
    彼の穏やかな優しさと、深く染み入るような距離感に、私は心ごと酔っていた。

    タクシーに乗り込み、静かなビジネスホテルの一室に入った。
    部屋のドアが閉まる音が、なぜかやけに大きく聞こえた。

    私は黙って、ベッドの端に腰掛けた。
    真田さんは私の前にゆっくりと座り、そっと私の頬に手を添えた。

    唇が触れたとき、全身がぞわりと震えた。
    それは懐かしさとも違う、久しく忘れていた「求められる感覚」だった。

    彼のキスは丁寧で、けれどじわじわと私の理性を溶かしていった。
    服を脱がせる手つきも、優しさと焦燥の狭間に揺れていて──私はただ、身を任せた。


    裸になった身体を、彼はまるで壊れもののように扱った。
    指先が、胸を、腰を、太ももをなぞるたびに、熱がゆっくりと上がっていく。

    彼は私の足を広げ、じっと目を見つめてから、顔を埋めた。
    舌がクリトリスを柔らかくなぞり、次第にリズムを刻みながら、私を丁寧に開いていく。

    「んっ……っ……そこ、やだ……」
    そう言いながら、私は何度も腰を揺らした。

    中指がゆっくりと挿入され、Gスポットを的確に刺激してくる。
    あまりに久しぶりの快感に、私は声を堪えきれず、首を仰け反らせた。

    そして、彼はコンドームをつけ、私の脚を抱えるようにして、ゆっくりと腰を沈めた。


    熱く、太く、深い。
    一度で、私の奥まで満たされたのがわかった。

    「大丈夫? 痛くない?」

    彼はそう言いながらも、動きを止めず、私の手をしっかりと握っていた。
    その手が温かくて、泣きそうになった。

    腰をゆっくりと揺らし、私の名前を何度も囁く声。
    その夜、私は何度もイッた。
    身体を、心を、全て晒して、受け入れられることがこんなにも気持ちいいなんて、知らなかった。


    翌朝、ベッドの中で彼はコーヒーを淹れてくれた。
    静かな朝陽が差し込む部屋で、ふたりは言葉も少なく、ただ時を過ごした。

    「また、会ってもいいですか?」

    その問いに、私は微笑んで頷いた。

    恋愛じゃなくてもいい。
    けれど、たしかに私は、この人と繋がっている実感が欲しかった。

    そしてこの日以来、私は時々、彼と会うようになった。
    食事をして、ホテルに行って、キスをして、抱かれる。
    そのたびに、私は「女」としての自分を取り戻していく気がした。


    そして──

    ワクワクメールを使っていなければ、こんな出会いはなかったかもしれない。
    誰かと出会い、心と身体を通わせることは、決して「軽いこと」ではない。
    そこには、ちゃんとした「感情」がある。

    一夜限りの関係でもいい。
    でも、その一夜が、誰かの人生をそっと変えることもある。

    私はこれからも、出会い系を「自分を肯定する場所」として、大切にしていこうと思う。