はじめに
近年、マッチングアプリを利用して婚活をする人々が増えています。特にバツイチの40代女性にとって、マッチングアプリは新しい出会いの場として魅力的です。しかし、成婚に結びつくのは容易ではありません。本記事では、実際の体験談を交えながら、成婚に至らない要因を具体的に探っていきます。
バツイチ40代女性の婚活事情
美奈子さんのプロフィール
美奈子さん（45歳）は、2年前に離婚し、現在は都内で一人息子（14歳）と一緒に暮らしています。彼女はIT企業でプロジェクトマネージャーとして働いており、仕事も家庭も両立させる努力を続けています。離婚の原因は元夫の浮気と経済的なトラブルであり、彼女は再び幸せな家庭を築きたいと願ってマッチングアプリを利用し始めました。
初めの期待と現実
美奈子さんは、マッチングアプリに登録した最初の数週間で多くのメッセージを受け取りました。特に年下の男性からのアプローチが多く、彼女は自分がまだ魅力的であると感じていました。しかし、数回のデートを経て、現実の厳しさを痛感することになります。
成婚に結びつかない要因
1. 過去のトラウマ
美奈子さんは離婚経験からくるトラウマを抱えています。特に、元夫の浮気による不信感が根強く残っています。彼女はデートの際に相手の誠実さを試すような質問を繰り返すことが多く、これが相手にとってプレッシャーとなり、関係が長続きしませんでした。
「ある男性とは3回目のデートで、『前の結婚で浮気されたことがある』と話しました。彼は理解を示してくれたけど、その後は連絡が途絶えてしまいました。たぶん、重いと思われたのかもしれません。」（美奈子さん）
具体的エピソード
美奈子さんが出会った中で、特に印象深かったのは、40代半ばのサラリーマン、健一さんとの出会いです。彼とは共通の趣味であるハイキングを通じて親しくなりました。最初のデートでは、一緒に登山を楽しみ、彼の誠実な人柄に惹かれました。しかし、彼女のトラウマからくる不信感が、次第に二人の関係に影を落とし始めました。
「健一さんとは本当に良い時間を過ごしていました。でも、どうしても彼が自分を裏切るかもしれないという不安が拭えなくて、つい『前の結婚で何が起きたのか』という話を繰り返してしまいました。その度に彼の表情が曇るのを見て、自分が壊しているんだと分かっていても止められませんでした。」（美奈子さん）
2. 理想の高さ
美奈子さんは、経済的安定、共通の趣味、家庭を大切にする価値観など、高い理想を持っています。しかし、この理想に合致する男性は少なく、合っても相手が同じような理想を持っていないことが多いです。
「40代である私が希望する年収や生活スタイルを持つ男性は、ほとんどが既婚者か、独身でも自分より若い女性を探しているようでした。何度もデートしたけれど、結局『もっと若い女性と出会いたい』と言われることが多かったです。」（美奈子さん）
具体的エピソード
一度、美奈子さんは年収1000万円以上の男性、圭太さんとマッチしました。彼は企業の経営者で、休日はゴルフを楽しむという、理想的なプロフィールでした。彼とは何度かディナーを共にし、美奈子さんは彼のエレガントなライフスタイルに憧れを抱きました。しかし、ある日彼がこう言いました。
「美奈子さんとの時間は楽しいけれど、僕はやっぱり子供が欲しいんだ。美奈子さんの息子さんも素晴らしい子だけど、僕自身の子供を持つことを考えているんだ。」（圭太さん）
この言葉を聞いて、美奈子さんは自分の理想が現実とどれだけ乖離しているのかを痛感しました。
3. コミュニケーションのズレ
マッチングアプリでは主にテキストメッセージでのコミュニケーションが中心ですが、美奈子さんはテキストでのやり取りが苦手です。デートに漕ぎつけた場合でも、相手との会話のリズムが合わず、ぎこちない雰囲気が続くことが多かったです。
「メッセージではうまく伝えられないことが多くて、実際に会った時も会話が弾まないことが多かったです。特に、相手が自分の話ばかりして、私のことをあまり聞いてくれないと感じたときは、デートが辛かったです。」（美奈子さん）
具体的エピソード
美奈子さんは、ある日、50代の男性、翔太さんとマッチしました。彼はアートギャラリーのオーナーで、美奈子さんとはアートに対する共通の趣味がありました。しかし、彼とのメッセージのやり取りは一方的で、実際に会っても彼の話が中心でした。
「翔太さんとは最初のデートで、彼が自分のギャラリーで開催した展覧会の話を延々と聞かされました。私は彼の話に興味があったけど、私自身のことを話す機会がなく、次第に孤独を感じました。帰り際に『今日は楽しかったね』と言われた時、私は心からそう思えませんでした。」（美奈子さん）
4. 子供の存在
美奈子さんには中学生の息子がいます。彼の存在を理解し、受け入れてくれる男性を見つけるのは難しい課題です。彼女は子供のためにも新しいパートナーを探したいと考えていますが、男性側の理解が得られないことが多いです。
「ある男性とデートを重ねていたのですが、息子の存在を話すと、彼は少しずつ距離を置くようになりました。結局、『自分はまだ子供を持つ覚悟ができていない』と言われてしまいました。」（美奈子さん）
具体的エピソード
ある日、美奈子さんは息子の存在を理解し、受け入れてくれると思っていた男性、涼介さんとデートを重ねました。彼は美奈子さんの息子にも好意的で、週末には三人で遊園地に行くなど楽しい時間を過ごしていました。しかし、ある日突然、涼介さんから連絡が途絶えました。
「息子も涼介さんに懐いていて、一緒に遊ぶのを楽しみにしていました。でも、突然彼から連絡が来なくなって、本当にショックでした。後で聞いた話では、彼は自分の家族から『バツイチで子供がいる女性とは結婚しない方がいい』と言われていたようです。」（美奈子さん）
5. 年齢の壁
40代という年齢も婚活において一つの障壁となります。美奈子さんは、自分の年齢を気にしないようにしていますが、相手が若い女性を求めることが多く、年齢差を感じる場面が多々ありました。
「プロフィールに年齢を正直に書いているのに、実際に会うと『写真より老けて見えるね』と言われたことがあります。とてもショックでした。」（美奈子さん）
具体的エピソード
美奈子さんは一度、30代後半の男性、慎一さんとマッチしました。彼はバツイチで、同じような境遇であることから共感することが多く、メッセージのやり取りも順調でした。実際に会っても話が弾み、デートも楽しむことができました。しかし、3回目のデートの後、彼からこう言われました。
「美奈子さんは素晴らしい人だけど、やはり僕はもう少し若い女性と一緒に将来を考えたいんだ。ごめんなさい。」（慎一さん）
この言葉を聞いて、美奈子さんは自分の年齢が一つの壁になっていることを改めて感じました。
6. 時間とエネルギーの制約
美奈子さんはフルタイムで働きながら子育てもしているため、婚活にかけられる時間とエネルギーが限られています。仕事の疲れから、デートに行く気力が湧かないことも多く、相手とのコミュニケーションが疎かになることがありました。
「平日は仕事と子育てで手一杯で、週末も息子の部活や家事に追われてしまいます。デートの時間を作るのが本当に難しいです。相手には『もっと頻繁に会いたい』と言われることが多いですが、それに応えることができません。」（美奈子さん）
具体的エピソード
美奈子さんは一度、同じように子供を持つシングルファザー、達也さんと出会いました。彼も忙しい日常を送っていましたが、二人はお互いの状況を理解し合い、少ない時間を大切に過ごしました。しかし、ある時達也さんがこう言いました。
「僕たちの関係はとても良いけれど、お互いの時間が合わなくて、もっと一緒に過ごしたいと思う気持ちが辛くなってきたんだ。」（達也さん）
この言葉を聞いて、美奈子さんはお互いの生活スタイルがネックになっていることを痛感しました。
7. 周囲の偏見
バツイチであること、40代であること、子供がいることなど、様々な要因が重なり、周囲の偏見に晒されることも少なくありません。美奈子さんは、自分の選択に自信を持ちたいと思いながらも、周囲の視線に傷つくことがありました。
「友人たちの中には『もう再婚なんて考えずに、自分の生活を楽しんだら？』と言う人もいます。それも一つの選択肢だと思いますが、私はもう一度家庭を持ちたいんです。でも、そう言うと『そんなの無理だよ』と言われることも多いです。」（美奈子さん）
具体的エピソード
美奈子さんは、親友の久美子さんからのアドバイスに悩まされることがありました。久美子さんは、独身でキャリアウーマンとして成功しており、美奈子さんに対してこう言いました。
「美奈子、再婚なんてやめた方がいいよ。今の時代、一人で生きる方が楽だし、幸せを追い求めるなんてナンセンスだよ。もう少し自分のために生きた方がいいと思うよ。」（久美子さん）
この言葉に、美奈子さんは一瞬納得しかけましたが、心の奥ではやはり家庭を持つことへの憧れが捨てきれませんでした。
成功への道
美奈子さんは、これらの困難にもかかわらず、諦めずに婚活を続けています。彼女が成功への道を見つけるために、以下のポイントを意識しています。
1. 自己肯定感の向上
自分自身の価値を認めることが大切です。美奈子さんはカウンセリングを受け、自分の過去を整理し、自己肯定感を高める努力をしています。
「カウンセリングを通じて、自分自身をもっと大切にすることができるようになりました。過去のトラウマに向き合い、乗り越えることができると感じています。」（美奈子さん）
2. リアルな期待
理想を高く持つことは大切ですが、現実的な期待を持つことも重要です。美奈子さんは、自分の理想を見直し、相手に求める条件を柔軟にするよう心掛けています。
「以前は年収や職業にこだわっていましたが、今は一緒にいて安心できる人を探すようにしています。それが長続きする関係を築く鍵だと思います。」（美奈子さん）
3. コミュニケーションの工夫
テキストメッセージでのコミュニケーションが苦手な美奈子さんは、ビデオ通話を積極的に活用しています。また、初対面のデートではリラックスできる場所を選ぶようにしています。
「ビデオ通話は相手の表情を見ながら話せるので、お互いの距離を縮めるのに役立ちます。初デートはカフェや公園など、リラックスできる場所で行うことが多いです。」（美奈子さん）
終わりに
美奈子さんのようなバツイチ40代女性がマッチングアプリで婚活を成功させるには、多くの困難があります。しかし、自己肯定感の向上、現実的な期待の設定、そして効果的なコミュニケーションの工夫を通じて、幸せなパートナーシップを築くことができるでしょう。美奈子さんの努力と前向きな姿勢は、同じように婚活に挑戦している女性たちにとって、大きな励みとなるはずです。
美奈子さんのストーリーは、婚活における現実と希望の両方を教えてくれます。彼女の経験を通じて、同じような状況にある女性たちが一歩踏み出し、自分自身の幸せを見つける手助けになれば幸いです。
